k氏の新作は、華麗なる賭けの劇中でマックイーンが着用したスリーピースをケイドのテーラーリングで現代に蘇らせました。
このスタイルは、1960年代のアメリカで流行したコンテンポラリーモデルあたりから派生したもので、米国的なスタイルの物に、より欧州的なディテールやカットを盛り込んだ物です。欧州の本場の物との違いは、まず第一に生地のウェイトです。欧州はミディアムウェイト~ヘビーウェイトの生地で仕立てた物が多く、より正統的なムードを醸し出すものが多くみられます。変わって、この映画で見られる背広は、ライトウェイト~ミディアムウェイトの物が多く米国的な格式張らず砕け過ぎない、程よいモード感がこのスタイルの特徴です。
このスタイルはアメリカンコンチネンタルモデルと呼ばれていました。素材は、ミディアムウェイトで英国的グレンプレイド。フラワーホール無しのナローラペル2釦、極端に深く切ったダブルベンツ、コンテンポラリーモデルによくある袖口1釦。弧を描くカッタウェイフロント、プレーンフロントでベルトレスのパンツ。ストレートカットの5釦のウエストコートなど 背広服の古い時代からのお約束的なルールに変則的な物を融合したのがこのスタイルの特徴です。現代のモード服の原点です。
この手のスタイルは、フランク・シナトラやディーン・マーチンなどラットパックと言われた洒脱な連中達も好んで着たスタイルです。